ケンタッキーフライドチキン(KFC)の値上げ戦略はどうなる?上場廃止と顧客層の変化は?KFCの値上げ、上場廃止、顧客層の変化を徹底解説
ケンタッキーの値上げは止まらない!原材料費高騰で価格改定を繰り返すKFC。高くなったオリジナルチキンに消費者は戸惑い、お得なセットも物議を醸す。上場廃止、業績悪化を乗り越え、『日常使い』を目指す戦略とは?価格と顧客満足度のバランス、今後のKFCの行方に注目。
値下げキャンペーンと価格設定への批判
KFCの価格戦略、どうなの?
高め設定、批判も
KFCの価格設定に対する批判について見ていきましょう。

✅ ケンタッキーフライドチキン(KFC)は、商品の一斉値上げを実施し、一部商品では価格が大幅に上昇した一方で、期間限定の「ファン感謝祭パック」では大幅な値下げを実施している。
✅ KFCは、秘伝のレシピと店舗内手作りの品質にこだわり、フライドチキン専門店チェーンとして圧倒的な強さを誇っている。しかし、近年の値上げにより、コンビニやスーパーのフライドチキンと比較して価格が高くなっており、ネット上では価格設定に対する批判的な意見が多く見られる。
✅ 専門家は、KFCの価格設定は顧客にとって高すぎる可能性があると指摘し、競合他社の価格や商品との比較から、KFCの価格戦略や商品戦略を見直す必要があると述べている。
さらに読む ⇒ビジネスジャーナル出典/画像元: https://biz-journal.jp/company/post_361221.html値下げキャンペーンと価格設定のバランスは難しいですね。
KFCは価格改定と同時に、「ファン感謝祭パック」を販売開始しました。
これは、「オリジナルチキン」と「カーネルクリスピー」のセットで最大1040円の値下げとなっています。
しかし、この値下げ前の単品価格が高いため、ネット上では価格設定への批判が相次いでいます。
専門家によると、KFCの価格設定は、コンビニエンスストアチェーンやスーパーのフライドチキン、マクドナルドの『チキチー』などの価格と比べて明らかに高いとのことです。
また、約1年で主力商品を2割も値上げすることは、かなり強気な戦略だと指摘されています。
KFCは、今後も価格戦略と商品戦略を見直していく必要があるかもしれません。
なお、「ファン感謝祭パック」の販売期間は、2週間となっています。
KFCの価格設定は、専門家も指摘するように、見直す必要があるかもしれませんね。
上場廃止の理由と業績悪化
KFCはなぜ上場廃止になったの?
TOBと業績悪化
KFCの上場廃止と業績悪化について見ていきましょう。

✅ カーライル・グループのクリスピーが日本KFCホールディングス(日本KFCHD)の株式公開買付けを実施し、筆頭株主となり、日本KFCHDは上場廃止となりました。
✅ カーライルは日本KFCのブランド認知度が高く潜在的な競争力がある一方、店舗立地やメニューのバラエティーが限定的であることを課題として挙げ、顧客エンゲージメント向上や店舗オペレーション改善などによる成長を目指しています。
✅ カーライルは日本KFCをエブリデイブランドへと転換させ、国内外食業界におけるリーディングカンパニーへと成長させる計画を発表しました。
さらに読む ⇒流通ニュース出典/画像元: https://www.ryutsuu.biz/strategy/q091843.html上場廃止は、色々な影響があるんですね。
日本KFCホールディングスは、2024年9月18日に上場廃止となりました。
これは、アメリカの投資ファンド「カーライル・グループ」による株式公開買付け(TOB)の成立と、業績悪化が主な理由です。
TOB価格は1株あたり6500円で、これにより株主は株式を売却することが可能となりました。
一方、業績悪化は、2023年10月25日から実施された値上げによる顧客離れが主な原因です。
オリジナルチキンの価格は290円から310円に引き上げられるなど、約9割のメニューが値上げされました。
この値上げは、消費者に価格の高騰を感じさせ、客数を減少させる結果となりました。
さらに、マクドナルドなどの競合他社が値上げを行っても集客力を維持しているのに対し、ケンタッキーはその耐性が弱かったことも、業績悪化の一因であると考えられます。
日本KFCは、値上げと頻繁な値下げキャンペーンの繰り返しによって、消費者に混乱を与え、利益率を悪化させてきました。
また、他のファストフードチェーンと比較して価格が高めに設定されていることも、顧客離れの一因となっています。
これらの要因が重なり、日本KFCは業績悪化に陥り、最終的に上場廃止に至りました。
上場廃止によって、株主は株式を売買することができなくなり、株主優待制度も廃止されます。
KFC、色々と大変だったんですね。上場廃止は驚きました。
顧客層とブランドイメージの転換
ケンタッキーはどのように低迷から脱出したのか?
低価格戦略と顧客層拡大
KFCの顧客層とブランドイメージの転換について見ていきましょう。

✅ ケンタッキーフライドチキンは、スーパーライトユーザーと呼ばれる、年に1~2回しか利用しない顧客層が顧客の大半を占めており、業績が伸び悩んでいた。
✅ そこで、ケンタッキーは「ワンコインランチ」などの低価格戦略を導入し、休眠客やスーパーライトユーザーの開拓を目指して「日常」のブランドへと転換を図った。
✅ 同時に、ファンやヘビーユーザー向けの施策も継続し、顧客層の拡大とブランドイメージの向上を図ることで、業績の好循環を実現した。
さらに読む ⇒マーケターブログ売れるしくみとコンセプト出典/画像元: https://marketer7.com/kentucky-fried-chicken/「ハレの日」から「日常」へ、大きな転換ですね。
ケンタッキーフライドチキンは、顧客の大半がスーパー・ライトユーザーという現状から、業績の足踏み状態に陥っていました。
顧客調査の結果、「年に1回利用する」と答えた人が約4割、「年に2回利用する」と答えた人が約2割で、年間の来店回数が1~2回という人たちが全体の6割を占めていることが判明しました。
ケンタッキーは、クリスマスシーズンに売上が集中するという特徴があり、顧客の多くは特別な日に年に1~2回だけ来店して家族のために買い求めていくという、いわゆる「ハレの日」ブランドとしての認識が強まっていました。
そのため、顧客はケンタッキーを「おいしいけど高い」「特別なときに食べるもの」と捉え、日常的な利用には至っていませんでした。
この現状を打破するため、ケンタッキーは「ワンコインランチ」という低価格戦略を展開し、「日常」のブランドへと変革を図りました。
さらに、ファンやヘビーユーザー向けの施策も同時並行で進めることで、顧客層の拡大と売上向上を目指しています。
この大胆な戦略により、ケンタッキーは業績の好転を実現し、外食産業の中でも数少ない勝ち組企業となりました。
顧客調査の結果、ケンタッキーは顧客の「パーセプション」を変えることに成功し、日常的な利用を促すことにより、従来の「ハレの日」ブランドから「日常」のブランドへと転換を遂げました。
KFCの戦略は見事ですね。ますます利用しやすくなりました。
KFCは、値上げ、上場廃止、顧客層の変化と、様々な変化を乗り越えようとしていますね。
💡 KFCは、原材料費高騰などを理由に、頻繁な値上げを実施。
💡 KFCは、上場廃止となり、カーライルによる成長戦略が展開。
💡 KFCは、顧客層の変化に対応し、ブランドイメージの転換を図った。