カロリー計算の基礎！アトウォーター係数と現代の食生活の関係とは？カロリー計算の歴史と、より良い食生活のためのヒント

それでは、カロリー計算の歴史から、現代における課題まで、詳しく見ていきましょう。

アトウォーター係数の誕生と限界

カロリー計算の基礎となるアトウォーター係数について解説します。

食品の燃焼熱と消化プロセスの違い、そしてその限界に迫ります。

カロリー計算：アトウォーター係数が完全ではない理由

✅ 食品のカロリー表示の基礎となっているアトウォーター係数は、食品を燃焼させて得られる熱量を基に算出されており、実際の消化プロセスとは異なる点がある。

✅ アトウォーター係数は、タンパク質、炭水化物、脂肪、アルコールについてそれぞれ異なる換算係数を用いてカロリーを計算しているが、食品の種類や個々の消化効率、腸内細菌の影響などは考慮されていない。

✅ 食品から得られるカロリーは、細胞壁の構造、調理法、食事誘発性熱産生、腸内細菌による分解など、多くの要因によって異なり、食品ラベルのカロリー表示はあくまで推定値である。

さらに読む ⇒腸内飢餓と相関性で考える太るメカニズム（ふとらば）出典/画像元: https://www.futoraba.com/topics/2022/12/21993/

アトウォーター係数は重要な指標ですが、あくまで推定値であり、個々の消化能力や食品の種類によってカロリーは変動することに注意が必要です。

19世紀後半から20世紀初頭にかけて、ウィルバー・オリン・アトウォーターは、私たちが現在利用するカロリー計算の基礎となる「Atwater係数」を開発しました。

これは、食品を燃焼させて得られる熱量（カロリー）と、人体で実際に吸収されるカロリーの関係を測定するための実験に基づいています。

アトウォーターは、摂取した食品と排泄物の燃焼熱の差から、人が吸収するカロリーを概算しました。

この係数は、タンパク質と炭水化物1gあたり4kcal、脂肪1gあたり9kcal、アルコール1gあたり7kcalというように、食品の種類に関わらず広く使用されています。

しかし、この係数は欧米人の食生活と体質を基に算出されたものであり、1985年に発表されたもので、現代の日本人には必ずしも当てはまるとは限りません。

なるほど〜！カロリーって、燃焼熱から計算されてるんですね！でも、それだけじゃないってことか…勉強になります！

ルブナー係数とアトウォーター係数の関係

ルブナー係数とアトウォーター係数の関係について解説します。

カロリー計算の歴史と、日本人向けの食生活における注意点について解説します。

ルブナー係数とアトウォーター係数、実は動物性タンパク質は

✅ カロリー計算に用いられるタンパク質4kcal、炭水化物4kcal、脂質9kcalという数値は、欧米人の食事を基準に算出されたものであり、日本人の体質や食事には必ずしも合致しない。

✅ カロリー計算の基礎となるのは、ルブナーの換算係数（物理的燃焼値から生理的燃焼値を算出）と、アトウォーター係数（消化率を考慮して修正したカロリー数）である。

✅ カロリー計算は厳密なものではなく、あくまで目安であるため、細かく計算するよりも、体重の変化に合わせて食事量を調整する方が効果的である。

さらに読む ⇒まんもすの筋トレ超初心者のためのブログ｜カッコよくなりたいアンチエイジングダイエット出典/画像元: https://training-diet.net/%E3%82%A2%E3%83%88%E3%82%A6%E3%82%A9%E3%83%BC%E3%82%BF%E3%83%BC/

アトウォーター係数は、ルブナー係数を基に消化率を考慮して修正されたもの。

しかし、日本人には必ずしも当てはまらない点は意識すべきですね。

アトウォーター係数の背景には、19世紀にマックス・ルブナーが提唱した「ルブナーの換算係数」が存在します。

ルブナーは物理的な燃焼値と生理的燃焼値の違いを考慮し、タンパク質は尿などによる損失を考慮して、1gあたり4.4kcalを算出しました。

しかし、この係数は当時の欧米人（主に白人）を対象としており、現代の日本人とは異なる可能性があります。

アトウォーターは、このルブナー係数を、栄養素の消化率を考慮して修正しました。

タンパク質92%、脂質95%、炭水化物97%の消化率を基に補正し、現在のカロリー計算の基準を確立しました。

なるほど、カロリー計算って、そんな歴史があったんですね。でも、体質によって違うって、ちょっと面倒ですね…。