食品成分表2020年版におけるエネルギー算出方法の変化とは?エネルギー算出方法の変更と食品表示への影響
2020年版日本食品標準成分表の大幅改訂! エネルギー算出方法が変わり、食品のカロリー表示に変化が。きのこや藻類など、食物繊維豊富な食品のエネルギー値が大きく変動する理由とは? 従来の計算方法との違いを解説し、献立作成や栄養管理への影響をわかりやすく解説します。正確なカロリー計算で、より健康的な食生活を!
💡 食品成分表2020年版(八訂)では、エネルギー値の算出方法が修正Atwater法から組成成分ごとの換算係数を用いた方法に変更されました。
💡 この変更により、きのこ類や藻類など、従来の方法では正確なエネルギー値が算出できなかった食品のエネルギー値が、より正確に算出されるようになります。
💡 エネルギー値の計算方法変更により、食品のエネルギー表示が変動し、栄養管理や献立作成に影響を与える可能性があります。
それでは、変更の詳細と、我々の食生活への影響について、章立てて解説していきます。
エネルギー算出方法の変更
食品のエネルギー値算出方法はどのように変わった?
組成成分別換算係数へ
今回の改正では、エネルギー算出方法が大きく変わりました。
まず初めに、変更の背景から見ていきましょう。
公開日:2024/05/24

✅ 今回の日本食品標準成分表の改訂では、エネルギー値算出方法が修正 Atwater 法から組成ごとのエネルギー換算係数を用いた方法に変更されます。これは、従来の方法が抱えていた個別のエネルギー換算係数の算定困難さ、きのこ類や藻類のエネルギー値算出の難しさ、炭水化物に一律の係数を用いる問題点などを解消するためです。
✅ 新たな計算方法では、アミノ酸組成、脂肪酸組成、利用可能炭水化物、糖アルコール、食物繊維、有機酸などの組成成分ごとに係数を用いてエネルギー値を算出します。この変更により、食品によってはエネルギー値が大きく変化することがあります。
✅ 文部科学省の委員会による試算では、ピュアココアは +115kcal、せん茶は -114kcalと、食品によっては大きな変動が見られました。また、国民健康・栄養調査のデータを用いた試算では、摂取頻度が高い食品である「米」と「鶏卵」では、それぞれ -36.0kcal、-9.7kcalの減少が見られました。
さらに読む ⇒公益財団法人ダノン健康栄養財団出典/画像元: https://www.danone-institute.or.jp/mailmagazine/8490/エネルギー算出方法の変更は、食品の栄養表示の精度向上に繋がる重要な改正ですね。
特に、正確なエネルギー算出が難しかった食品群への影響が大きいようです。
2020年版の日本食品標準成分表では、エネルギー算出方法が従来の修正Atwater係数から組成成分ごとの換算係数に変更されました。
この変更により、特にきのこ類や藻類などの難消化性有機物を多く含む食品のエネルギー値が大きく変化すると予想されます。
従来のAtwater係数は、すべての食品に一律に適用されていましたが、消化性試験の困難さや個人差の存在、一部食品のエネルギー換算係数の算出が難しいなどの課題がありました。
そのため、より正確なエネルギー値を求めるために、組成成分ごとの換算係数が導入されました。
具体的には、たんぱく質はアミノ酸組成、脂質は脂肪酸のトリアシルグリセロール当量、炭水化物は単糖当量や食物繊維総量など、それぞれの成分に基づいて換算係数が設定されます。
へえ、すごいですね! 今までって、そんなにアバウトな計算だったんですね。もっと色んな料理を安心して食べられるようになるってことですかね?
エネルギー値の変化と影響
食品のエネルギー値が変更された理由は?
正確な算出のため
次に、エネルギー値の変化が、私たちの食生活にどのような影響を与えるのか見ていきましょう。

✅ 茶碗1杯の白米には、モリブデンが最も多く含まれており、基準値の168%を占める。その他の成分では、銅が17.5%、マンガンが14%、カロリーが11.76%、亜鉛が10.5%含まれている。
✅ 白米は、ジャポニカ種とインディカ種に分類され、原産地は中国やインドと推測されている。日本には紀元前一世紀頃に渡来し、栽培は紀元前40世紀頃から始まったとされている。
✅ 白米は、胚乳、胚芽、ぬか層、もみ殻といった構成を持っている。精白米は胚乳のみを残し、胚芽、ぬか層、もみ殻を取り除いたもので、玄米はもみ殻のみを取り除いたものである。精白米は玄米よりも味が良いとされる一方、栄養素は減少する。
さらに読む ⇒米コメ【カロリーと栄養成分】水稲めし・精白米・うるち米【】出典/画像元: https://garop.jp/c3/cereals/rice.htmエネルギー値の変更は、摂取カロリーの計算に影響しますね。
献立作成の際には、新しい成分表を参照する必要がありそうです。
エネルギー値の変更により、従来のエネルギー値と比較して変化が生じます。
例えば、「1088こめ[水稲めし]精白米、うるち米」のエネルギー値は、従来の470.2kcalから434.3kcalに変更され、36.0kcalの差が生じます。
今回の変更は、より正確なエネルギー値を算出するために行われたものです。
そのため、献立作成や栄養管理などにおいて、エネルギー値の変更を考慮することが重要となります。
カロリー計算が変わると、今まで作っていた献立も少し見直さないといけないかもしれませんね。でも、より正確になるなら、そちらの方が安心です。
次のページを読む ⇒
食品表示の熱量計算、知ってる? 最新の食品成分表2020版(八訂)に基づいた計算方法を解説! 算出方法の違いや計算式を分かりやすく紹介。